原題:SERIAL LOVER

モテモテ独身35歳女性の悲惨な晩餐。

1998年3月22日フランス公開

1998年/フランス/カラー/85分/シネスコ/SRD・DTS/日本語宇幕:石木まゆみ 製作:フィルム・ド・ラ・スアーヌ 協力:ル・ステュディオ・カナル/フランス2シネマ/キャブテン・ムーヴィーズ 配給:クレストインターナショナル

2001年4月28日より渋谷シネマ・ソサエティにてロードショー公開

公開初日 2001/04/28

公開終了日 2001/06/08

配給会社名 0096

公開日メモ モテモテ独身35歳女性の悲惨な晩餐。

解説


ミステリー、専門出版社の編集者であるクレール・ドストには3人の恋人がいた。彼らは運が悪かった。クレールは人生の伴侶となるべき男を選ぶために特別な晩餐会を開いたのたが、その晩、無事に彼女の家をあとにした者は誰もいなかった・・・・・・。
『シリアル・ラヴァー』は、ことごと<予想外の展開をみせる悲惨な晩餐の話である。この晩餐で最初に起こったばかげた事故が、終わりのない悪夢の始まりとなる。クレールの目の前に、1つの死体と釈明不可能な状況。そのうえ、強盗のコンビと彼らを追う恐ろしい目つきの刑事がしつこく現れ、さらに2つ目の死体、3つ目の死体が・・・・・・気がつけば彼女は偶然の連続殺人犯になっていた。血のソースをかけた鴨料理に始まって、鋭い肉包丁、ぎちぎちに詰め込まれた冷凍庫、滑るバスタブ、棚の上のスケート靴など、悪夢の小道具たち。突然部屋になだれ込んできて踊り狂い、天井が抜けるような乱痴気騒ぎを起こす見知らぬ若者たち。彼女の高級マンションは底無し沼のような恐怖の世界と化した。しかし、ここで彼女は今までに見せたことのない勇気と冷静さを発揮する。この悪夢から無事に脱け出すには、もう迷っている場合ではなかった。細いハイヒールとミニのドレスで、死体を相手に獅子奮迅の活躍をする新しいヒロイン、クレール・ドストの誕生である。 キャリアにも恋人にも恵まれた美女の悪夢を、徹底したブラックユーモアと独創的な映像で描いたジェームズ・ユット監督は、変わった経歴の持ち主である。医学の道へ進み、歯科医の免許も取得したが、監督への夢を諦めきれず映画界へと転身した。いままでに数々の賞を受賞している2本の短篇の他、CM監督としても活躍していたが、この『シリアル・ラヴァー』を長篇第一作としてついに監督デビュー。ミステリー、ナンセンス、コメディ、ホラー、ヒューマン・サスペンスといったジャンルをすべて掛け合わせたようなオリジナルな作品に仕上がった本作は、パリ映画祭で特別賞を受賞し、ブランス公開時にも、予想外に批許家たちからの評価も高く、まずは映画監督として確実な第一歩を路み出した一作となった。『ミクロコスモス』、『キャラバン』のブリュノ・クレが音楽を担当し・テンポの良い演出をさらに盛り上げている。 強<、美し<、大胆なヒロイン、クレール・ドストを演じるのが、『ペダル・ドゥース』『ぼくのバラ色の人生』などの映画や舞台で活躍しているミシェル・ラロック。これまでのブルジョワ的なイメージからかけはなれたこの主役の話が彼女のもとに飛び込んできたのは、クランクイン直前だった。というのも、それまでのクレール役候補の女優たちが断わり続けてきたからで、ラロックはそれを知りながらも、台本を読んですぐにOKを出したという。彼女の勇気ある決断は、本作をただのくだらないドタバタ劇の一歩手前で救い、イタチごっこのようなトラブルの中で常に主導権を握るヒロインを、ラロックはさらりと演じてみせた。『ベルニー!』を監督・主演しているほか、フランスでマルチな活躍をしているアルベール・デュボンテルが、嫌味で不気味な刑事役を怪演。見た目は渋いが口を開けば間が抜けている、というおかしさで存在を際立たせている。妹アリス役のエリーズ・ティエルローイは、ユット監督の全作品と『ゴタールの決別』などに出演。すぐに死体となってしまう恋人たちも、ベテラン勢がかっちりと固めている。

ストーリー


クレールは、ミステリー専門出版社の編集者。キャリア、お金、知性、美貌、彼女は何もかも持っている。だが、そんな彼女にこその贅沢な悩みがある。それは…..恋人を1人にしぼることがどうしてもできないこと。そこで、35歳の誕生日に3人のボーイフレンドを自宅でのディナーに招き、最高の夫となるべき男を選ぶことにした。3人からの婚約指輪がずらりと並ぶテーブルで、そのディナーは始まった。血抜きをしてない鴨肉、切れ味最高の包丁、大きすぎる冷凍庫、滑るバスタブ、壁一面の鏡、夏だというのに棚の上に置いてあるスケート靴。何もかも揃っているお酒落な部屋が、恐ろしい殺人現場にかわるとは!
美女の悪夢をブラックなユーモアと独創的な映像で見せるフレンチ・スプラッター・コメディ。

《第1章》
知性、美貌、何をとっても申し分なく、彼女には光り輝く将来が待っているはずだったのだが。クレールは真剣に悩んでいた。恋のアヴァンチュールだけでは飽き足らなくなった女にとって、3人の恋人は多すぎた・・・・・・。そろそろ人生の伴侶を決めなければ!すばらしい考えが浮かんだ。真実をはっきりさせるためにディナーパーティーを開くのだ。3人の恋人を集めてみれば、自分がいちばん愛している男が分かるはず!3人の恋人、サシャ、アキム、シャルル、プラス古い友人リュイチは、テーブルの各々の席についた。

《第2章》
3人の恋人を前にしてもまだ、クレールは結婚相手を決めることができずにいた。ディナーのメインディッシュは、鴨の血を使うソース仕立ての鴨料理。クレールが血抜きをしていない鴨肉の皮を剥いているキッチンに、サシャが抜け駆けをしてこっそりと入ってくる。このとき、クレールが手にしていたナイフが振り向きざまに、サシャに突き刺さった。1つ目の死体。状況を把握出来ないクレールに来客。ドアを開けると、なんと逃走中の強盗を追っている2人の刑事だった。セリエと名乗るこの刑事、なんだかすごい刑事のようで、ド迫力。
なんとか窮地を逃れ、刑事を追い払ったクレールは、サシャの死体を冷凍庫に隠して、ディナーを続行する。
そして次の事件はバスルームでおきる。クレールが広いバスタブで滑った拍子に割れた鏡の破片がアキムの胸にグサリと直撃。2つ目の死体。リュイチも階段から転倒。3つ目の死体。この3つの死体を見つけたシャルルは、てっきりクレールの犯行と思い、警察へ通報しようと受話器を取る。それを必死に止めようとクレールが引っ張る電話線が、シャルルを窒息させた。4つ目の死体。どうしてこんなことに!

《第3章》
恋人たちの死体に囲まれて、クレールが呆然としていると、再びチャイムが。
「警察だ!今すぐドアを開けろ!」覚悟をしてドアを開けてみると、妹アリスがクレールの誕生日を祝おうと連れてきた若者が、何十人も部屋になだれ込んできた。若者たちは踊り狂い、天井が抜けるほどの大騒ぎ。クレールは死体隠蔽の為、2つの死体をバッグチェアに入れて、もう1つの死体をテレビの前に座らせて、残りの1つを眠っているかのように見せかけた。嵐のような乱痴気騒ぎの中で、クレールは今までに見せたことのない勇気と冷静さを発揮した。

《第4章》
気が動転していたクレールはようやく理性を取り戻し、酔っ払った若者たちを追い払った。妹アリスと2人、死体の始末を考えているところに、なんと逃走中の強盗が現われる。一難去ってまた一難。彼らに天井からつり下げられ、金品を出せと脅かされる。しかし、この強盗のコンビはとんだ間抜け者で、ぐずぐずしているうちに、刑事セリエが再び登場。
このピンチに強盗2人をうまく匿ってやったことから、死体は彼らが始末してくれることになった。一件落着、アリスも帰っていった。そこヘセリエ刑事がまた戻ってくる。死体のことは全てお見通しだった。だが、無実の犯行であることも分かっていると見逃してくれた。そればかりではない。2人は一気に恋に落ちてしまったのだ。しかし、この恋の寿命は短かった。見つめあい、プラターズの「オンリー・ユー」で踊り始めたその時、クレールはまた間接的に凶器を手にしてしまっていたのだ!彼女の悪夢はまだまだ続く・・・・・

スタッフ

監督:ジェームズ・ユット
脚本:ジェームズ・ユット/ロマン・ベルトミウ
脚色:ジェームズ・ユット/ロマン・ベルトミウ/ユゴー・ジャコメ
音楽:ブリュノ・クレ
撮影:ジャン=クロード・ティボー
カメラ:フィリップ・ロベール
編集:スコット・スティーヴンソン
芸術監修:ピエール=E.シャティリエーズ
録音:ピエール・エスコフィエ
音響:ロラン・カリオ
調整:ブリュノ・タリエール
美術:ジャン=バティスト・ポワロ
衣装:オリヴィエ・ベリオ
メイク:イザベル・ド・アロジョ
助監督:カトリーヌ・プエラス/デルフィーヌ・ボンヌマソン
記録:イザベル・リビス/キャシー・ドレ
配役:アントワネット・ブラ
仕上監修:ギ・クルトキュイス
製作担当:フランソワ=X.ドクラエーヌ
製作:フィリップ・ルセレ

製作:フィルム・ド・ラ・スアーヌ
協力:ル・ステュディオ・カナル/フランス2シネマ/キャブテン・ムーヴィーズ

キャスト

クレール・ドスト:ミシェル・ラロック
エリック・セリエ:アルベール・デュポンテル
アリス・ドスト:エリーズ・ティエルローイ
シャルル・ティリオ:ミシェル・ヴュイエルモーズ
アキム公子:ジヌディーヌ・スアレム
サシャ・ピーターズ:アントワーヌ・バズレール
リュイチ・ディ・チチ:ジル・プリヴァ
イザベル・ケンプフ:イザベル・ナンティ
ブリュノ・エルジャン:ディディエ・ベニュロ
フランシーヌ夫人:フレデリック・メナンジェ
ジャン=ピエール(ジュゼッペ)}:フィリップ・ヴィユ
パトリス(ピノ):・パトリック・リガルデス

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